こんにちは🌼いろはFPです。
幾何平均とか算術平均とか難しい言葉が飛び交っていましたので、自分の勉強のつもりで「複利で平均リターン+5%ってどれくらいの運用成績のペースを収められたら達成できるのか計算?想定?」をしてみました。
それではどうぞ!
- 算術平均と幾何平均の違い
- 複利で毎年リターン+5%だと30年間で1000万円はいくらになるのか
- 複利で平均リターン+5%って実際どれくらい?
- 複利の計算の意味を理解しておくことが大事
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算術平均と幾何平均の違い
まず、「平均リターン+5%で運用する」といった"平均"という言葉には算術平均と幾何平均があります。
この違いをまず知っておく必要があります。
算術平均とは
算術平均(または相加平均)は一般的によく使われている平均のことですね。対象となる全てのデータ(r)を合計してデータの個数(N)で割ることで求められます。
平均値μAを求める計算式は「μA =(r1 + r2 + r3 + ... + rN)/ N」になるよ!
算術平均を使うのは不動産投資の家賃収入の利回り計算や、株式の配当利回りの計算などに使います。いわゆる単利での計算を意味しますね。
算術平均についてはいつも使っている平均なので、分かりやすいでしょう。
幾何平均とは
さて、難しいのが幾何平均です。ここから真剣に読んでくださいね!
幾何平均(または相乗平均)とは累積結果に至るまで平均してどのくらいのペースで変化していったのかを表すものです。
幾何平均を使うのは平均収益率、平均成長率、人口成長率などを計算するのに使います。いわゆる複利での利回り計算を意味します。
対象となる全てのデータ(r)を掛け合わせて、1 / データの個数(N)の累乗 で求められます。
平均値μGを求める計算式は「μG = {(1 + r1)(1 + r2)...(1 + rN)}^(1/N) - 1」になるよ!
難しいですね。。。
簡単な例を挙げます。例えば複利運用で+20%、-10%、+10%と投資成績が推移した3年間の平均リターンを求めたい場合は、この計算式に当てはめると
μG = {(1 + 0.2)(1 - 0.1)(1 + 0.1)}^(1/3) - 1
となります。まずは{}の中身から計算して
1.188 ^ (1/3) - 1
となり、1.188の1/3乗を計算して
1.0591045005978188- 1
あとは出来ますよね。
0.0591045005978188
100を掛けて%に単位を合わせると
⇒ 約5.9%(算術平均では約6.7%になります)
※今回のような指数が1/3の累乗の計算は難しいので、下記のサイトなどを使って計算するのがおすすめです!
累乗・べき乗の計算機。指数が分数・小数・マイナスでもOK! | やまでら くみこ のレシピ
次は実際にこの計算式にあてはめてみるよ!
複利で毎年リターン+5%だと30年間で1000万円はいくらになるのか
本当はこんな机上の空論はやりたくないのですが計算してみます。
元本1000万円を30歳から60歳まで30年間、複利で運用しましょう。その間、幾何平均で平均リターン+5%で運用できたとします。
さきほどの計算式「10,000,000 × (1 + μG)^N」にあてはめてみると
資産額A = 10,000,000×(1+0.05)^30
これを計算すると、計算結果は「¥43,219,424」となります。
約4,321万円です。
ちなみに、毎年固定で+5%の場合は以下のような表になります。
複利で平均リターン+5%って実際どれくらい?
それでは、複利で平均リターン+5%を達成するには実際どれくらいのリターンではないといけないのでしょうか?
実際の相場はプラスの年もあればマイナスの年もあります。
毎年の運用成績が+20%、-10%と交互に30年間運用した場合の資産額の結果を見てみましょう。(算術平均では平均+5%のパターンです)
結果は約3,172万円です。
さっきより1,000万円以上成績悪くない・・・?
そうなんです。幾何平均ではボラティリティが高いと成長率としては低くなるんです。
幾何平均の計算式にあてはめると、
μG = {(1 + 0.2)(1 - 0.1)}^(1/2) - 1
= 約3.9%
になりますので。
では幾何平均μGが5%になるリターンを計算すれば話は早いですね。
10年間のうち、9年は+8%で運用できますが1年だけ20%の暴落があったとしましょう。
これで10年間の複利平均リターン約5%です。
だいたい10年おきにくる暴落を想定してるよ
μG = {(1 + 0.08)^9 * (1 - 0.2)}^(1/10) - 1
= 約4.8%
これでも若干5%に届きませんが、だいたいこれくらいですね。
1回20%暴落しちゃったら、取り戻すのが大変だよね!複利っていうのは増えるのも早いけど、マイナスだと減るのも早いのがデメリット!
複利の計算の意味を理解しておくことが大事
このように、実際の計算をすること自体はExcelさんやGoogleさんにまかせればよいのですが、投資家はこの計算の意味を理解しておくことが大事かと思います。
歴史的に見れば、30年間前から米国のS&P 500に投資をしていれば、年間10%近い成績を残せることができていました。
ただし、これも米国経済の成長があったからです。これからどうなるかは分かりません。
「(算術)平均で+5%の運用が出来ているから大丈夫だ!」と思っていても、資産額の計算に使うべきなのは幾何平均だったから「思ったより資産が少ない…」となると困りますよね。
この幾何平均をマスターして投資家としてレベルアップしましょう!
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